槍ヶ岳・大喰岳 登山

  • 山情報
  • コース時間・歩数
  • 登山ルート
名称 槍ヶ岳(日本百名山)
大喰岳
長野県 長野県松本市安曇村
標高 やりがたけ 3180
おおばみだけ 3101m
特徴 槍ヶ岳
日本第5位の高さを誇り、天空に突き
刺さる岩峰の槍は、北アルプスの象徴で、
多くの登山者を魅了させる。
大喰岳
多くの動物たちが、草木を食んでいる場所が
あったことから、猟師の間で「大喰」と
呼ばれた。
満足度 ★★★★★
天気 ☀/☁

8/4・5  
[上り] 4:45 [縦走] 0 [下り] 0
[歩行合計] 4:45
[往復歩数] 25950

19:10  広島 →
  2:25  ひるがのSA 4:35
  4:50  飛騨清見IC →
  6:15  温泉温泉 6:52  バス→ 
  7:20  上高地  7:40 ・・
  8:35  明神 ・・
  9:40  徳沢園・・
10:50  横尾  11:45・・
12:20  槍見河原・・
13:20  槍沢ロッジ(泊)

8/6
[上り] 6:30 [縦走] 0 [下り] 0
[歩行合計] 6:30
[往復歩数] 29700

  5:40  槍沢ロッジ ・・
  6:35  大曲  ・・
  7:35  天狗原分岐・・
  8:30  天狗池  9:00・・
10:00  モレーン  10:20・・
10:40  播隆岩屋・・
11:55  槍ヶ岳山荘  12:45・・
13:25  槍ヶ岳 13:50 ・・
14:15 
槍ヶ岳山荘(泊)

8/7
[上り] 0 [縦走] 0 [下り] 8:25
[歩行合計] 8:25
[往復歩数] 30100

  5:45  槍ヶ岳山荘  ・・
  6:10  大喰岳  6:20 ・・
  7:50  千丈乗越分岐  ・・
  9:30  槍平小屋  9:50・・
10:35  滝沢出合  11:05・・
13:05  穂高平小屋  13:15  ・・
14:00  新穂高温泉  14:55 バス →
15:40  平湯温泉(泊)

8/8 
  7:00  平湯温泉 →
17:30  広島

8月4.5日
6:52平湯温泉発、濃飛バスで安房トンネル、釜トンネルを通過して、焼岳の
噴火で梓川がせき止められた大正池を左に見て、観光客と登山者で賑わう
上高地バスターミナルに着く。登山届を提出後、出発する。

上高地 河童橋

観光の目玉、梓川に架かる河童橋。キャンプ場を抜け、数匹のニホンザルに
見送られ、カラマツ林の中を進む。明神岳、前穂高岳が連なり、歩数が増す
につれ、気分が高まってくる。

観光客も減り、静かな山道

イギリスの宣教師である登山家ウエストンを案内した上條嘉門次の小屋が
ある明神まで約1時間。
さらに井上靖の小説「氷壁」で有名な徳沢園まで約1時間。冷水の桶に浮かぶ
青りんごの甘酸っぱい香りで癒される。

冷水に浸かる青りんご

徳沢園を出て間もなく、20m先を真っ黒な小熊が横切り、梓川河原に走って
行った。突然の遭遇に驚きと感激で、気が引き締まる。屏風の頭が見え、
横尾に到着する。河原の芝生で腰を降ろし、京都の鯖寿司の昼食とする。

梓川河原を散歩する小熊

左の吊橋を渡ると涸沢、穂高方面。直進して槍沢方面へコースをとる。
梓川源流を求めて川沿いの道幅が細くなった登山道を行く。川の流れる音が
次第に荒々しくなり、道も急登に変わってくる。

ヨツバシオガマ

槍見河原で、槍ヶ岳の三角頭が木陰から覗いているのを確認。さらに上流へ。
水場で、岩間から湧き出す冷たい清水で喉を潤す。

クガイソウに戯れるヒョウモンチョウ

一の俣沢、ニの俣沢に架かる木橋を渡る。風に揺れるクガイソウに戯れる
ヒョウモンチョウ、黄色いツリフネソウが眼を楽しませてくれる。
石段を上り詰めると、槍尾根の峡谷の高台に建つ、槍沢ロッジに到着する。

槍沢ロッジ 到着

寝室は2階、こまくさA15,16で部屋の中央に廊下があり、両側は上下2段に
区切られ、1畳2人、布団は2人1枚。

槍沢ロッジ 2段ベッドの寝室

長湯はできないが、男女時間性の風呂があり、汗を流せるのが有り難い。
待望の夕食を済ませ、18:30就寝。

8月6日
4:20起床。朝食後、ヒノキの樹木の間から、小さく見える槍の頭を目指して
出発する。昨日の疲れもなく、足取りは軽く、ナナカマド、ダケカンバの
繁る石段を登ってゆく。赤沢岩小屋のあるキャンプ場を横切ると、岩壁が
そそり立つ槍尾根が迫る。

槍沢雪渓を踏む

大岩沢、五郎沢、乗越沢を渡り、左に大きくコースが変わる大曲に到着。
ニッコウキスゲの群落を鑑賞し、雪渓の槍沢に足を入れ、滑らないように
注意しながらゆっくり進む。朝日に反射する雪面を踏み、氷河気分を味わう。

槍沢雪渓を楽しむ

20分の雪渓を通過後、草付の中をジグザグに上る。天狗原分岐に着く。
槍はまだ見えない。

氷河に削られたU字谷の中を

分岐から雪渓を横切り、天狗池に向かう。チングルマ、シナノキンバイ、
フウロ、クガイソウ等、お花畑越しに槍ヶ岳が姿を現す。ガレ石の石畳、
石段道を越えて雪渓傍の天狗池に着く。逆さ槍が写る池として有名。

天狗池から槍を望む

天狗原分岐まで戻る。チシマキキョウ、ヤマハハコ、トリカブト等が咲き、
ガレたジグザグ道を上る。最後の水場を通過し、槍沢カールに形成された
モレーンのハイマツ帯に到着。

槍を眺め、バラ寿司弁当

槍沢ロッジの、竹皮に包まれたバラ寿司弁当を開く。
甘酸っぱい香がモレーンに広がる。

槍ヶ岳開拓者、幡隆上人が寝泊まりした坊主岩屋1828年、播隆上人が開山時、寝泊りしたと伝えられる坊主岩屋を通過し、
ガスに包まれた殺生ヒュッテを右に見て、イワツメグサが繁殖するガレ岩道の
急登を上る。槍の先はガスで覆われ、槍ヶ岳山荘がかすかに見える。

槍ヶ岳山荘はすぐそこ

槍ノ肩に建てられた槍ヶ岳山荘に到着。
槍の先はガスが流れ、確認できないがホッと一息つく。

イワツメククサ

受付後、うすゆきそうA9,10の部屋にザックを置き、槍ヶ岳山頂を目指す。
焼きたてパンを食べながら、ガスが晴れるのを待つ。ガスが切れ、槍先が姿を
現し、深呼吸1つ、決心し出発する。

眼下の槍ヶ岳山荘

ゴツゴツした岩肌に、三点確保で位置を決め、浮石に注意し一歩づつ登る。
垂直な数十段の鉄はしごを3回、鎖、鉄杭をよじ登って3180m頂点に着く。
思わずヤッタ・・と、小さくこぶしを握る。

鉄梯子を慎重に登る

13:25を手帳に記覆われた覆われたガスで360℃の展望は無いが、達成感で
胸が熱くなる。
山頂の小さな祠に参拝。20人位が下山の順番を待っている。ゴロゴロ・・と
雷が下から聞こえる。爽快感は一気に恐怖感に変わる。

山頂の祠

前の女性の髪の毛が立っているのを見て、静電気が流れていると分かった。
下山の順番まで、しゃがんで待機する。

手袋をはめ、鉄はしごを下る。上りと下りはコースが替えてあり、意外と
スムーズに降りられる。落石させないよう細心の注意をして、山荘まで下山。
緊張感が抜け、疲労感が全身にみなぎる。
テラスに腰掛け、ビール生(¥1000)とコーンスープ(¥350)で乾杯する。

槍沢カールが拡がり、殺生ヒュッテ、ヒュッテ大槍を見下ろし、東鎌尾根、
槍尾根、穂高を堪能しながら、ビールを味合う。
17:00夕食。夕焼けはガスで望めず、18:30早いが、寝床に着く。

8月7日
4:30起床。朝食後、御来光に登山の安全を祈願して、5:45出発。

槍に御来光

10分下り、日本で一番高い峠の飛騨乗越に来る。ザックを置き、大喰岳まで
尾根を縦走する。黒いガレ石が広く点在し、360℃展望の大喰岳。

大喰岳から槍ヶ岳を望む

中岳、南岳、北穂高岳、涸沢岳、前穂岳と険しい尾根が続いている。
振り返るとケルン越しに、ガスに浮かぶ槍ヶ岳が居座る。展望を楽しんだ後、
再び飛騨乗越に戻る。

飛騨乗越 越しに槍ヶ岳山荘と槍

長野県から登る朝日を背に、岐阜県の飛騨沢に向けトラバースし、ガレを下る。
ハクサンイチゲ、イワカガミ、コバイケイソウ、クロユリ等、沢一面が
高山植物で賑わい、お花畑が続く。

お花畑が疲れを癒してくれる

花と景観に目を奪われ、足元が注意散漫。西鎌尾根が雲海に揺れて美しい。

救急箱が設置してある千丈分岐を通過し、笠ヶ岳の残雪を正面に見ながら、
ナナカマドの道を下る。
水場で休憩後、雑木林の道に変わり、学生で賑わい、トリカブトの群生が
見られる槍平ロッジに着く。

トリカブト

飲料水を補給。飛騨沢の右俣谷のせせらぎの音が次第に大きくなり、谷幅も
広がってくる。藤木レリーフに立ち寄り、滝沢の出合いの河原に出る。
北穂高から落ち込む急流で、滝が多く、大岩で埋まる河原で昼休憩する。

滝沢出合のゴロ岩群

靴を脱ぎ、冷水で顔を洗い、空腹は山荘の弁当、中華おこわで元気が蘇る。
白出沢の出合いで休憩。穂高牧場の穂高平小屋でかき氷(¥400)の看板に
引き寄せられ喉を冷やす。

ふくらはぎが張り、足裏の間隔が鈍り、歩幅も狭くなる。右俣林道を下って、
新穂高温泉バスターミナルに到着。

お世話になった宿

空がにわかに曇り、到着と同時に激しい夕立。平湯温泉行きの濃飛バス
(¥870)に乗り込み、平湯温泉の宿に着く。
露天風呂で疲れを癒し、飛騨牛のホウ葉味噌焼で、舌鼓を打って槍ヶ岳の
旅は終る。(伸)

 

 

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